
理想の柔道
柔道の創始者嘉納治五郎は合気道の演武を見て「これこそ私が理想としていた柔道だ」と言ったと伝えられている。合気道側の資料だけでなく、柔道の研究書にも記述があるのだから間違いはないだろう。
では、なぜそんなことを言ったのだろう。お世辞ではなく、心からそう思ったであろうことは確信できる。
しかし、開祖の演武がいくら素晴らしいものだからといっても、このような言葉が出てくるだろうか。柔道側の資料では、触れた瞬間に崩す技法のことを言っているというが、それならなぜ、合気道を柔道の体系の中に組み込もうとしたのか。技法が素晴らしいというのなら、技法そのものを柔道に取り入れているはずだと思う。
嘉納治五郎は教育者であり、武道家である。その目から見て、相手と共に成長していくという合気道の在り方こそ、目指していた柔道だと思ったことであろう。
自他共栄
柔道の基本理念の一つに「自他共栄」ということがあるが、合気道の稽古法がまさにこれである。
取りは受けの鍛錬のために投げたり、抑えたり、固めたりする。受けは取りの技が上達するよう正しく導いてやる。そうすることによってお互いが上達していく。
相手の協力なしには上達はおぼつかない。だからこそ「お願いします」で始まり、「ありがとうございました」で終わる。
健康の秘訣
86歳の女性の方と話をする機会がありました。その方は非常に若々しく見えたので、なぜそうなのか聞いてみました。
色々お話を聞くなかで、健康で若々しくある秘訣は次の2点によるものだと理解しました。
1つは若い時からいろいろスポーツをされたそうです。今はスポーツらしきものはしていないが、日常生活の中でとにかくよく動くということです。人間は体を動かすことが基本です。買い物にも歩いて出かけるし、家事で動き回っているということが健康につながっています。
2つ目は多くの人と話をすることです。見知らぬ人でも話しかけておしゃべりを楽しんでいるそうです。そういえば本当に楽しそうに会話されていました。本とか、新聞を読まなくても、人の口から生の情報を聞くほうが楽しいでしょう。人という財産ができれば、必要な時に適切な情報を手に入れることが可能になるだけでなく、楽しい会話によって頭脳が活性化し、若々しい精神でいられます。
至誠館の合気道が健康の秘訣になるということは、この話からもうかがえることでしょう。