そのう炎
そ嚢は食道が部分的に拡張した器官で、餌を一時的に溜めておく機能があります。
穀類食の鳥や猛禽類でよく発達しています。ここに炎症を起こした状態が、そのう炎です。

最も多く見られる症状は、吐き気です。鳥は苦しいため、顔を左右に強く振って?嚢内容物を吐き出します。
吐いた物はケージのいたるところに飛び散りますので、発情による吐き戻しとは区別できます。
何度も吐いていると、吐出物で顔の羽毛が汚れ、羽が固まって見えます。
また、餌だけでなく大量の液体がそ嚢の中に溜まっていることもあります。

シード類(カラ付きやムキエ)を食べている鳥の吐出物は、普通、未消化の粒餌です。
これは、鳥は歯をもっていないので、粒餌のカラを剥いたらそのまま丸呑みするためです。
飲み込んだ餌は、腺胃まで粒の状態で通過していきますので、人間のように消化したものを吐くということはありません。
ただし、メガバクテリアなどに罹患していると、時間をかけて粒餌を噛み砕き、それを少量ずつ食べるという動作を
繰り返しますので、吐出物が一見消化した餌の様に見えることはあります。

そのう炎の原因は、細菌、真菌、寄生虫などの感染症が多く、異物や刺激物の
摂取で起こることもあります。
診断は、専用の器具(ゾンデ)を使ってそのう液を採取し、顕微鏡で調べることによって行います。
そ嚢内に炎症性の細胞や粘液、食べた餌のデンプン粒、そしてばい菌などが観察されます。
ばい菌が多い場合には、採取したそ嚢液を外部の検査機関に送って調べてもらいます。

治療は、原因に応じて抗生剤、抗真菌剤、駆虫薬などを使うとともに、粘膜保護剤や
吐き気止めなども用います。
さらに食欲が廃絶していたら、脱水を改善するために栄養剤や補液を注射することもあります。

そ嚢炎を予防するためには、新しいコを迎えたら、原因となる病原微生物を持っていないかどうか、動物病院で検査して
もらうことが大切です。病原微生物を持っていても、少数の感染で症状を示していない段階なら、比較的スムーズに
駆除することができます。
また、発情行動が激しく、鏡などに向かって盛んに餌を吐き戻している場合には、鏡を取り上げてできるだけ吐き戻しを
させないようにして下さい。
自分で吐き戻した物でも、時間をあけてから食べるとばい菌が増えていることが多いので、注意しなければなりません。
そ嚢炎を起こした時のそ嚢液。炎症細胞が認められます。 そのう炎を患っているセキセイインコ。
吐物で頭の羽毛が汚れています。
そ嚢検査に使う器具(ゾンデ)
ニードル、またはカニューレとも呼ばれています。